2022/01/07

社食サービスとは?健康経営・社員満足度向上に役立つ福利厚生を検討しよう

会社で食事をする場合、コンビニのお弁当や手作りのお弁当など、従業員それぞれで準備することも多いのではないでしょうか。会社によっては、「社食(社員食堂)」を利用する方も多いかもしれません。

社員食堂と聞くと、好みの食事がなかったり毎日似たようなバリエーションだったりと従業員からすると利用しにくいといった懸念も否めません。また、最近ではコロナウイルス感染症によって、働く人や働き方が大きく変化しつつあります。

そんななかで社食と呼ばれるサービスも、大きく進化しています。この記事では、社食サービスと呼ばれる新たな取り組みと、詳しい利用方法、メリットやデメリットについて解説します。

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この記事の監修者 かんざきあつこ

関西在住。双子を含む3人の母。
料理教室講師や野菜ソムリエとしての経験を活かし、野菜ベーグル&お菓子と予約制ごはんのお店「Aand*ナチュラルベーグルとおうちごはん」を経営。
“食で心を育てる”を仕事だけでなく、自身の子育てでも実践しながらSNS等に記録を残しています。

社食サービスについて

「社食」と聞くと会社の社員食堂を思い浮かべる方も多いはず。しかし、社食サービスと社食ではどのような違いがあるのでしょうか。

従来の社員食堂は、休憩中に食事を済ませる利便性や、コストなどを優先した結果、栄養バランスを考慮しないメニューが多く並んでいました。対して社食サービスとは、会社に勤める社員の栄養バランスを考えたメニューや、社員の好みを反映したメニューを多く揃え、従業員のモチベーションアップや、美味しい食事ができることでコミュニケーションを増加するといった目的があります。

働き方改革によって従業員の働き方が多様化し、食事も従業員のペースに合わせた時間に提供できることが望ましいとの考えが社内にも広がり、多くの企業で多種多様な社食サービスが導入されるようになりました。

社食サービスは3つのサービスに分かれます。

社食サービスの種類

社食サービスは主に「お弁当型」「提供型」「設置型」の3つに分かれています。「お弁当型」は決まった時間に配達するタイプです。

お弁当は持ち歩くことができ、好きな時間、場所で食べることができるので、最も利用することの多いポピュラーなサービスと言えます。

「提供型」は社食サービスがお弁当やお惣菜を決まった時間に提供するサービスです。空いたスペースを利用して温かい食事ができるものの、従業員が配膳を行ったり、空きスペースを確保したりしなければならないため、導入が難しい企業も少なくありません。

「設置型」は、社内に専用の冷蔵庫や冷凍庫を設置し、24時間好きな時間、場所で食事ができるサービスです。不規則な時間に食事をする従業員が多い企業に最も人気のあるサービスで、従業員の働き方に合わせて利用できるのがメリットと言えます。

しかしその一方で、冷蔵庫や冷凍庫、電子レンジなどを設置するための費用やスペースを確保しなければならないといったデメリットがあります。

在宅勤務でもOK!リモート社食サービスもある

社食サービスを提供する店舗には、在宅勤務でも利用可能な場所もあります。一部ではあるものの全国で対応してくれるリモートプランを用意している社食サービスもあるため、従業員の働き方に合わせて食事を提供してもらうこともできます。

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かんざきあつこ

社員食堂は利便性・低価格を重視して
限られた時間、場所、メニュー
での提供となることが多いです。

そのため栄養が偏ったり、
メニューに飽きることも多く
食事が楽しい時間ではなく
“お腹を満たす行為”になることも。

また、働き方が多様化した現代では
時間内に利用できない従業員も増えています。

その点、社食サービスは各企業に適した方法を選び
よりよい食事環境を提供できるので柔軟性があり、
とても魅力的なサービスと言えます。

社食サービスがもたらすメリット・デメリット

社食サービスがもたらすメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、企業側と従業員側で見た場合のメリットとデメリットについて解説します。

企業側

社食サービスを導入するにあたり企業側のメリットには、

・健康経営が目指せる
・社員満足度の向上につながる
・生産性向上につながる
・企業のPRポイントになる

の4つがあると言えます。

対してデメリットには初期費用や設置スペースの確保など、導入するための準備と費用が必要となります。

健康経営が目指せる

社食サービスは主に専門家監修のもと多数のヘルスケアプログラムが用意されています。これにより、従業員の健康状態を考慮した食事を提供できるようになります。

一人暮らしでお弁当を用意できない方やコンビニのお弁当で済ませてしまう方、外食で済ませがちな方全ての栄養管理を社食サービスで行えるようになれば、従業員の健康をサポートすることにもつながります。

健康経営について

健康経営については経済産業省の公式サイト内でこのように触れています。
“「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること”

健康経営を行う理由には、”企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上など、組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。”
と解説されており、従業員の健康投資を行うことで、結果的に会社の業績や株価の向上など、良い方向へ進むことが期待できると言われています。
(引用元:経済産業省の公式サイト:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html)
)

社員満足度の向上につながる

社食サービスを導入することで、社員満足度の向上につながるといったメリットもあります。社食サービスのなかには全国の従業員の元へ食事を届けてくれる店舗もあるため、在宅ワーク中の従業員や単身赴任中の従業員に対しても福利厚生として食事の提供を行うことが可能になります。こういった点でも社食サービスは、社員満足度向上につながると考えられるのです。

生産性向上につながる

社食サービスは栄養バランスを考えた食事の提供が主であることから、社内で働く従業員のみならず、離れた環境で働く従業員の体を考えた食事メニューになっています。そのため従業員の生産性向上にも期待できると言われています。

企業のPRポイントになる

社食サービスを導入することにより、採用の面でも大きなメリットがあると言えます。その理由は、毎日働く中で必要とする食事が社内にある「食堂」や「昼食補助」で用意されていることは安心だと考えられるからです。

従業員の食事を考えた社食サービスの導入は、どのような福利厚生が用意されているかを気にする新社会人にとってもうれしいサービスと考えられるため、企業のPRポイントにも大きく貢献すると考えられます。

従業員側

社食サービスを導入することによって従業員が得られるメリットには、

・コミュニケーションをとる機会が増える
・バランスの良い食事がとりやすくなる(健康を意識しやすくなる)
・仕事のメリハリをつけやすくなる

の3つがあることがわかっています。

コミュニケーションをとる機会が増える

社食サービスを利用することで仲間と食事をする機会が増え、これによりコミュニケーションをとる機会も増加します。コミュニケーションが増えることにより、職場の悩みや仕事の進め方に悩んでいる従業員同士の憩いの場としても利用しやすくなるため、会社全体の空気がより快適な環境となるよう改善を図ることができます。

バランスの良い食事がとりやすくなる(健康を意識しやすくなる)

社食サービスを利用することによって従業員が得られるメリットには、バランスの良い食事が会社内でもとりやすくなることから、従来よりも健康を意識しやすくなるメリットもあります。

一人暮らしなどの理由で自分の食事に気を使えない従業員でも、社食サービスを利用することで簡単に美味しい食事が食べられるようになり、そのうえ健康にも気を遣えるようになりますから、喜ばしいサービスと言えるでしょう。

仕事のメリハリをつけやすくなる

社食サービスを導入することによって、従業員の仕事に対するメリハリを付けやすくなるといったメリットもあります。仕事が忙しくなってしまうと、お昼ご飯を後回しにしてしまう従業員も少なくありません。

そんななか、社食サービスを導入し、決まった時間に食事ができるようになれば、従業員間でのコミュニケーションのなかから仕事への改善策が見つけられたり、気分転換につながったりなど、従業員のメリハリを作るひとつのきっかけになるといったメリットもあります。

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食事の時間が空腹を満たすだけでなく
美味しい食事やコミュニケーションを楽しむ時間になると
オキシトシン(幸せホルモン)の分泌が更に促進され、
ストレスが緩和されたり自律神経が整うなど、
栄養面にプラスして体に良いサイクルが生まれます。

また、食事をすることで気持ちを切り替えたり
会話を通して悩みごとが解消されるなど
生産性が上がり、仕事面でも良い循環が期待される為、
毎日の食事は大切な時間だと考えられます。

社食サービスの運用にかかる費用相場

社食サービス導入にあたり、企業側、従業員側ではどのような費用が掛かるのでしょうか。企業側で考えると、冷蔵庫や冷凍庫、お弁当を温めるための電子レンジなどが必要になることは明白ですよね。

ここでは社食サービスを導入する場合の費用相場について解説します。

企業側

社食サービスを導入するにあたり企業側が負担することになる費用としては、業務用の冷蔵庫や厨房設備、調理器具やテーブルなど、食堂として機能するための設備や道具、食材調達費などが必要になります。社食を導入するためには数百万円~数千万円の初期費用が必要になることを考慮しなければなりません。

しかし社食サービスの店舗によっては初期費用0円~数万円までと利用しやすい価格帯で利用できる店舗もあります。できるだけコストを下げて利用したいという場合には、初期費用が不要、あるいは安く済ませられる社食サービスを選ぶと良いでしょう。

従業員

従業員に掛かる費用は実際に食事をする際の食材などの直接的な費用のみです。コンビニや外食で済ませていた従業員からすれば、栄養バランスの良い食事ができるだけでなく、従業員同士のコミュニケーションの場として、リフレッシュできる空間としても活用できるため、社食サービスの導入はうれしいメリットと言えるでしょう。

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かんざきあつこ

温めたり、冷やして美味しく提供するためには
必要に応じた設備や調理器具などを揃えるための
初期費用や管理コストを考慮しなければならず
会社の規模によって社食はハードルが高いイメージもありますが
予算に合わせて低コストで導入できる社食サービスも選べるのは会社にとって嬉しいポイントだと言えます。

社食サービスの選び方

社食サービスには各店舗によって多種多様なサービスを取り入れています。では、実際に企業にとってよりよい社食サービスを導入するためにはどのような選び方をすると良いのでしょうか。

ここでは社食サービスの特徴などを踏まえ、社食サービスを選ぶポイントについて

・提供スタイルを確認
・メニューの種類
・スペースの確保

の3つのポイントについて解説します。

提供スタイルを確認

上記で触れたように、社食サービスではさまざまな食事の提供方法があります。お弁当型や提供型、設置型など企業にマッチすると思われる提供方法を導入することで、従業員の休憩時間がより快適に過ごせるようになります。

お弁当型であれば従業員それぞれで好きな食事ができるようになりますし、好きな場所で食べられるためひとりでゆっくりしながら食事を摂りたいと考える方にも利用しやすいサービスと言えます。

提供型であれば決まった時間に食事ができるため、仕事へのメリハリを付けられることから、モチベーションの向上につながり、従業員同士の食事が可能になることで、コミュニケーションを図るきっかけにもつながります。

設置型であれば専用の冷蔵庫や電子レンジなどの準備が必要になるものの、社食サービスを提供する企業によっては初期費用ですべて利用できるサービスもあるので、企業側の負担を軽く済ませつつ、従業員に温かい食事を24時間いつでも提供することができるようになります。

このように、提供スタイルだけをとって考えてみても、従業員側と企業側のどちらにもメリットとして働くことが多いサービスですから、導入の際にはいくつかのポイントを絡めて考慮すると良いでしょう。

メニューの種類

社食サービスにはさまざまなメニューを提供しています。そのため、企業側で費用やサービス内容を重視し、率先して導入を決めるのではなく、社食サービスを使う従業員へアンケートやヒアリングを行い、どのような食事提供があるとうれしいのかを聞くことが重要です。

最近ではヴィーガンや宗教的な問題で肉や魚などを食さないといった食へのこだわりも多様化しています。こうした背景も考慮し、従業員の満足できる社食サービスについてしっかり聞くことが重要なポイントです。

スペースの確保

社食サービスを導入するには、食事をゆっくりと楽しめる食事用スペースを確保することも重要です。また、社食サービスを利用するにあたり、お弁当やお惣菜を保存しておく冷蔵庫や冷凍庫、温めるための電子レンジなどの設置スペースも用意しなければなりません。

食事のできるスペースには、このような設備を設置するスペースと合わせて、コンセントなども配置に問題がないかも確認しておくことが重要と言えるでしょう。

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かんざきあつこ

アレルギーや宗教的な理由などで食べられない食材があり
休憩時間内に外食や市販のお弁当の中から
食べられるものを探すのが大変な人も多い時代。

従業員の勤務スタイルだけでなく、嗜好やニーズに
合わせた食事を提供できるサービスを選ぶことで
食事時間の質や満足度がグンと上がります。

健康面、価格、時間、場所、嗜好など
さまざまなポイントを考慮して選ばれた食事を
会社で手軽に食べられるのは、とてもステキなことですね。

ポイントを押さえて社食サービスの導入を検討しよう

社食と聞くとバリエーションも限られ、また従業員の嗜好などは組み込まれていないメニューが多く、利用しにくいものと考えられ疎遠されがちだった昨今。しかし、現在の社食サービスでは、従業員の健康面をしっかりと考えたメニューや人気のあるメニューなどを導入する企業が多く、より充実した食事ができるようになっています。

さらに、社食サービスを導入することによって、従業員のモチベーションの向上、従業員同士のコミュニケーション場として食事の時間をより生産性の高い時間へと変えることも期待できます。社食サービスを導入する際には、今回紹介した社食サービスの選び方と注意点を押さえたうえで、従業員のヒアリングやアンケート調査結果をもとに検討することが重要です。

こだわり別!
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