ここ最近年々社員食堂を閉鎖する企業が増えています。その理由に経営することの採算が取れなかったり、業者の手が上がらないなどあらかた予算の問題が大きく占めていますが、それ以上にメリットとなることがたくさん有ります。
仕事だけではどうしてもコミュニケーションを図れません。なぜなら上司と部下という関係がそのまま仕事に反映されるからです。
こっちの方が正しいまたは、良いと判断したところで、立場上上の上司が違うと判断したら上司の意見に従わなければなりません。社食サービスとして提供している食堂で両者が集まることで、仕事から一歩離れた対話が出来るため、真のコミュニケーションが図れるのです。
特別話す内容がない人でも、一緒に社食を食べている共通点があるため、それだけで話が尽きません。普段どんなものを食べているのか、好きな物や嫌いな物などの話を通して、仕事以外での上司や部下の人となりを知ることができます。
一歩進むと食生活が仕事と繋がっている可能性が出てきます。これにより、仕事への姿勢や取り組み方を理解することが出来るため、意見のぶつかり合いが少なくなることも出てきます。
チームで仕事をしているのであれば、全員が一同に社員サービスを利用することによってチームに一体感が生まれます。同じ釜の飯を食うということは大した話をしていなくても心で繋がっているのです。
社員食堂は日本全国どこを見ても外の飲食店で食べるよりもその半分以下の値段で提供してくれる場所がほとんどです。大衆食堂をイメージすればさほど味が頼んだ物と乖離することはありません。
支払う値段を意識すれば、費用対効果は高いです。毎日次はどこに食べに行こうかと悩む必要が無く、そこでエネルギーを蓄えたらすぐさま職場に戻って仕事に取りかかることができます。
社員の行動範囲を管理できるのも社食の大きなサービスと言えます。独身や単身赴任の人は自分で家に帰ってからごはんを作ることが少なくなく、どうしても健康面に不安を感じる人が多いです。
そこで頼りになるのが社食です。行けば誰かいるので楽しくしゃべりながら食事が楽しめます。
家に帰ると一人はさみしいので、一人暮らしの人はまず利用するでしょう。このように使用頻度が高まれば、運営業者が十分利益を回収することができ、それをさらに社食サービスとして提供し続けることが可能となります。
給料や支払いを上げるのは企業として大きな痛手ですが、社食サービスであれば場所さえ用意できればすぐに提供できます。少しでも社員が働きやすい環境を整えるべきです。
社食は行けば誰かしら食べているので、普段中々話す機会の無い他部署や年齢が異なる人とコミュニケーションが出来るチャンスです。特に話す事が無くても今食べているごはんのことであれば、何らかの話はできます。
そこで相手の意外な一面が見られれば占めたものです。ごはんを食べているときは誰しも油断しているので、ほっとしている雰囲気を壊さず当たり障りのない天気やニュースなどから徐々に話を組み立てていくのがコツです。
一人でごはんを食べるよりも誰かと話しながらの方がより美味しく感じられます。美味しいということを共有できるのも社食ならではのメリットです。
社食には他にもメリットがあります。それは健康に気を遣ったヘルシーメニューということです。チェーン店が社食に入ることが無い限り、基本的に和食がベースになります。
塩分や脂質などバランスを考えて栄養士があらかじめチェックするので、ダイエット中の人でも安心して食べることが出来ます。食べ過ぎにさえ注意して腹八分目で止めておけば、栄養が足りた健康な体を維持できることでしょう。
社員食堂を作ったはいいが、社員に利用されず、そのまま撤退するケースも少なくありません。最近はチェーン店でも安くてそれなりの美味しさを提供できる店が多くなりました。このため、安さだけでは太刀打ちできない環境が出てます。
そこで提案するのが、日替わり定食です。街の定食屋さんでもやっていますが、ランチタイムだけなので、少し時間帯がずれて食事したいと思っている人に営業時間を自由に変えられる場所はもってこいといえます。
もちろん、あらかじめ指定業者と打ち合わせておく必要は有りますが、正午近くから夕方まで提供してくれる社食なら有り難いです。また、日替わり定食ならバランスを考えていろんな物を取り入れることが出来るので、社員が利用してくれます。
社員食堂を開いているだけでは思ったよりも人は集まって来ません。今はほとんどの会社で一人一台のパソコンが与えられているので、その掲示板で日替わり定食などのメニューを宣伝します。
一定のクオリティが出せれば、通常の飲食店よりも安いので、一人1回は利用することでしょう。大切なのは一度来たお客を逃さないようにサービスを提供することです。
具体的にはお水やお茶等のサービスです。もちろんタダではないので、そこで何かしらのごはんを買ってくれたお客に提供する形で渡します。
ポイントとしては飲み物をタダにすることで、社員が買ってくれるよう仕向けます。おかわり自由ですがそのたびに店員がついでいてはいくら人がいても足りません。
お客がセルフでもできることは最初からセルフとして謳っておきましょう。人間とは弱い生き物で、最初に手厚い保証をしてもらうとそれが日常化してなれてしまいます。最初に行ったサービスをしなくなったらクレームを入れる社員が出てきますので、それなら最初からセルフにするところを決めておくことが大切です。
業者との打ち合わせで了承を得ておく必要はありますが、人は何らかの利益がある場合、そこまで完璧でなくても訪れる傾向にあります。来店する度に、一ポイント貯まるポイントカードがあるところまで貯まったら一食分無料とすることによって一定客数が毎日臨めます。それ目的出来てくれる人が増えるからです。
このように小さなお得を提供することでお客のハートをつかみ早々と利益採算が見込める運用にしましょう。定期的にアンケートを取って人気商品ランキングを作るのも一つの手です。
あらかじめ人気商品が出せる日を決めておき、人気商品同士は意図的に提供日時を離すことによって、日常的に社員が来れるようにするのも良いでしょう。そこで得た利益をさらなる美味しさの追求や、その利用を良くするために拡張などに使えば上手い具合に運営が回るため、長らく企業の一員としてやっていけることでしょう。
いろんなアイディアがありますが、大切なことは食堂側と社員側が一緒に運営してより良いものにしていくという思いを持つことです。定期的に意見をすりあわせましょう。
バランスの良い食事を安く提供することが出来る社員食堂は本来なら、働く社員がたくさん在籍する企業それぞれに最初から入っていないとおかしいです。それは社員だけでなく企業を見る目が変わるので、手厚く導入しましょう。